金盞はスイセン?キンセンカ?

道路に落ちている枯葉に雨が落ちる様子は、なんとなく寂しさを感じさせるものがあります。今週末は雪が降るとの予報もあり、確かに寒くなってきたと肌で感じます。朝、どんどんお布団から出るのが辛くなります。水槽の金魚たちも、先週あたりからあまり動かなくなってきました。夏の頃は人が寄ると、エサをくれとバタバタ泳いだものでしたが、こんなにも目に見えて変化があるとは知りませんでした。そう思うと、秋にはあんなに聞こえていた虫の音も終わっていることに気が付きます。私たちが気付かないだけで、虫や動物、植物たちは早々と冬支度をしているようです。

さて、今日から七十二候は、金盞香(きんせんかさく)です。

金盞は、水仙の異名です。スイセン咲いているのもう見かけますか?

七十二候は中国から伝わった暦で、江戸時代以降に日本の風土に合わせて何度かアレンジしたものを使っています。私がお伝えしているのは、明治時代に改定された七十二候です。

それを踏まえて今日の七十二候なんですが、スイセンの開花時期は12月で、今はまだ11月の下旬。少し季節がずれています。その原因が、七十二候の改定だと思われます。以前は大雪の末候に水仙開がありました。しかし、金盞香が入ったため、水仙開がなくなってしまったそうです。

では、ここの金盞とはどんな花なのか。キンセンカは別名ポットマリーゴールドとも言います。マリーゴールドはよく花壇にも植えられている花びらがたくさんの黄色い花です。キンセンカもマリーゴールドもキク科の植物で、10月から5月まで花が咲き、冬知らずという名前もあるそうです。この花が中国から来たのが江戸時代末期。このキンセンカが広まったために、スイセンと入れ替わってしまったのかもしれません。

参考図書・季節と自然のガイドブック(文・写真/今給黎靖夫)

明治時代から随分と時間が流れ、今では七十二候と合わなくなってきていると感じる項目もいくつかあります。あと、土地柄もあります。日本海側と太平洋側では違いますし、北と南でも気候や風土が違います。なので、この金盞香だけに限ったことではないのですが、5日毎に変わる七十二候を意識しながら、四季を楽しみながら過ごすという観点からみてもらえるといいのかな、と思います。そう言えばあの花咲いていたな、とか、雲の高さが変わってきたな、とか、小さな楽しみを日常に織り交ぜながら過ごすと、もっと日々を大切にしないといけないな、と感じます。